業務紹介

業務紹介

桃仁会病院 臨床工学科では、急性期から慢性期にかけての血液浄化療法を中心に、 呼吸療法、医療機器管理、ペースメーカ管理、および手術室における自己血回収やシャントPTA介助など、 様々な業務を行っています。 我々は、生命維持管理装置を扱う専門家として、 「より新しい技術を取り入れること、効率的で安全な医療を提供すること、患者さんのQOLを追求すること」を念頭に置き、 日々の職務に当たっています。 また、府下最大の透析医療機関の臨床工学科門として、 その特色に沿ったチーム作りと学術研鑚(研究活動)に力を入れています。 個々が専門職として高い資質を持ち、技術や知識を効率よく患者さんに還元できるよう、 努力を惜しまず邁進したいと考えています。

血液浄化業務

当院では現在4つの施設で透析治療業務を行っており、約800人の透析患者さんの血液浄化業務に関わっています。 当院で行われている血液浄化業務及び透析監視装置は以下になります。

血液浄化業務

  • 血液透析
  • 前希釈血液濾過透析
  • 持続緩徐式血液濾過透析
  • LDL吸着療法
  • 血液濾過
  • 後希釈血液濾過透析
  • 持続緩徐式血液濾過
  • Endtoxin吸着療法等

末端監視装置

  • DCS-27:162台
    (桃仁会病院:45台 、付属診療所:36台、向島クリニック:50台、烏丸クリニック:31台)
  • DDCG-03:18台(桃仁会病院:13台、付属診療所:5台)
  • DCS-100NX:85台(桃仁会病院:44台、付属診療所:40台、向島クリニック:1台)

透析施行回数(平成26年度)

  • HD120000回/年(PreHDF2000件/年、PostHDF300件/年、Lixelle2000件/年)

透析室での取り組み

臨床工学科では透析患者さんを中心に医師・看護師との連携の下、透析患者さんのQOL・ADL向上に努めております。 血液浄化業務では透析準備から穿刺、開始、終了までのルーチン業務に加え、患者様の状態に応じた透析条件の設定、 バスキュラーアクセス(VA)管理、アフェレーシス療法、透析液の水質管理などを行っています。 特に、VA管理に関しては定期的に超音波エコーを用いて検査を行い、VAトラブルの回避を図るとともに、 緊急時における対応やエコーガイド下PTAの補助も行っています。 最近ではiPadを用いてVA管理システムを構築することで、患者様の情報の共有やベッドサイドでの即時トラブル対応など、 より高質な管理体制を目指しています。

透析液及び水質清浄化の取り組

透析液及び水質清浄化の取り組

原水(水道水及び井水)が水道法により定められている各種水質基準を満たしているかを確認しています。 RO水及び透析液については、日本透析医学会・日本臨床工学技士会により定められている透析液生物学的管理基準の値を満たしおり、全ての透析監視装置において超純水透析液の水質(生菌数・エンドトキシン値は全て検出感度未満)を保っています。

ME機器管理業務

法人全体で多人数用透析液供給装置6台、A剤溶解装置6台、B剤溶解装置6台、逆浸透水精製装置5台、透析用患者監視装置265台(DCS-100NX、DCS-27、DCG-03)を有しています。 これらの透析関連機器が日々正常に動作し、安全な透析医療を患者様に提供できるよう、保守管理に努めています。

多人数用透析液供給装置
A剤溶解装置
B剤溶解装置
逆浸透水精製装置
透析用患者監視装置

今後の取り組み

現在の医療の現場では、多種多様なME機器が用いられています。 これらのME機器が正常に動作しなければ、重大な事故につながる恐れがあります。 その為、医療安全の面からも、日々の保守点検で異常がないか確認することは極めて、重要なポイントになります。 輸液ポンプ、シリンジポンプをはじめ、病院内のME機器をシステム管理し、 日々正常に動作するよう保守管理に努めていきます。 また、病院内のME機器が効率よく使用出来るよう、購入から廃棄まで総合的な管理に取り組んでいきます。

植込みデバイス管理業務

当院ではペースメーカーの植込みやフォローアップ、植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT-D, P)のフォローアップを行っています。現在約40名の患者様がおられ、外来診察室や血液透析中において設定値や閾値、感度のチェック、 不整脈の有無等を確認し、患者様の状態に合わせた細やかな検査、設定を行っています。 慢性腎不全患者様は、日々の透析治療により、体液量の変化や血圧の変動が見られます。 今後は、こういった患者様への適切なペースメーカーの設定条件を検討し、 患者様のADL・QOL上昇につなげていきたいと考えています。

植込みデバイス管理業務

植込みデバイス管理業務